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アメリカドルのカンボジア、為替と物価の混乱

カンボジアの自国通貨はリエル。

2017年現在、ざっくりと1円が35リエル、1000リエルで約30円、といった為替になってます。
ですが実際に流通しているのはその8割がアメリカドルだと言われています。

確かに価格はどこも、アメリカドル表示が標準。

少なくとも旅行者であれば、ドルが使えないなんて場面に出くわすことはありません。

リエルは1ドルに満たない金額に対応するために使っているようなもので、セントコインのような役割です。
カンボジア アンコールワット スーパー マーケット
とはいえ、平均月収が100ドルを切るカンボジア。日本の平均月収を20,000ドルで見積もると、1ドルは2,000円くらいの感覚。

そう思うと旅行者に設定されたレストランなどの価格は、非常に高額です。

500ミリリットルのペットボトルの水は、だいたい1ドルで2本買えます。

これって感覚的には1本1,000円ってこと。
スーパーには置いてある輸入食品の高さにも驚かされます。

何しろ日本よりも高いくらいなんだから。

1袋3,000円のポテトチップス。
とても庶民には手が届きません。

つまり旅行者が利用するようなホテルやレストランというのは、カンボジア人の庶民には全く無縁の世界。
観光客のために用意された、カンボジアの文化からは切り離された世界なのです。

冷蔵庫の普及率もまだ低いようで、アイスもなんと輸入品。パッケージが韓国語だったりします。
子ども2人に1本ずつ買ってあげたら5ドルなんてことも。

1万円で子どもにアイスを買ってあげるなんて、日本の庶民の感覚からしたらあまりにもバカげています。カンボジア アンコールワット スーパーマーケット 品揃え

こういう時、私はちょっとした混乱に陥ります。

そして、何とも言えない自責の念に駆られます。

この地に這いつくばって一生懸命生きている人たちに対して、なんだかとても申し訳ない気持ちになってしまうのです。

このことに関してはいろんな考え方があって、正しいとか間違いとかは無いと思います。

私の場合は自分も庶民の同類として寄り添いたい気持ちになってきて、そして、この国の普通の暮らしに入って行きたくなってしまうのです。

でも今回の旅は、私1人のものではありません。
赤ちゃんも、幼児も、小学生もいる。
そしてさらには70歳を超えたおじいちゃんと一緒です。

赤ちゃんの体調は守らなければいけないし、子どもたちの体力を落とすわけにはいかないし、最後の旅となるかもしれないおじいちゃんには、日本人の口でも本当においしいと思えるものを食べさせてあげたい…。

私自身としてはせめて、迂闊な行動だけはするまいと、りんと背筋を伸ばす思いです。

地道に努力しているカンボジアの人たちの気持ちが、萎むことにならないように。

万が一にも「バカな旅行者からお金を騙してやろう」などと思い立ってしまう人を生みださないように。

母親として、日本人として、恥ずかしくない行いが出来るように、と。
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1歳、7歳、10歳の育児台風スパイラル。 教育資金のための怒涛の勤労生活に奮闘しつつ、ひとたび日本を脱出すれば幼な子を小脇に気ままな放浪人。 1990年代に世界を一周したバックパッカー。

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