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混沌としたカンボジアの側面、トンレサップ湖

実はトンレサップ湖には興味がなく予定していなかったのですが、じぃじと話をしているうちに、行ってみよう!ということになりました。

トンレサップ湖は、そう、言わずと知れた東南アジア最大の湖。
その特徴は、乾季と雨季との面積の差。
実に4〜6倍になると言われています。
雨季には日本の四国くらいの大きさにまでなるんですね。
対岸ではなく水平線が広がる海のような湖です。

川沿いや海沿いなど、人間は昔から水の近くで暮らし、そこから都市へと発展させていったのですが、トンレサップは雨季と乾季で水辺が変わる特徴によって、水上生活という独自の生活が発達しています。

この水上生活者の人口は、推定で100万人以上。
日本の都道府県で100万人規模というと秋田県や富山県です。

ちなみに100万人以上という人口がカンボジア全土に占める割合は7%弱。
日本の全人口の約7%が住んでいる都道府県といえば、大阪府や神奈川県ですよ。
実際に公開されているカンボジアの人口統計に水上生活者が含まれているかどうかは怪しいのですが、単純に考えてもけっこうなインパクトです。

このカンボジア観光の目玉の1つであるトンレサップ湖ですが、実はその住民の多くはベトナム人。
その理由に、ベトナム難民の受け入れ先としてカンボジア政府がトンレサップ湖に住まわせたという背景があります。

文化としての水上生活を守っているのではなく、貧しくて陸に住めない人たちが多い。
それがトンレサップ湖の現実です。

そんなトンレサップ湖はシェムリアップから30分程度という比較的気軽に往復できる場所にあるのですが、調べれば調べるほど良くない情報がわんさか出てくるんでよね。

ボート代をぼったくられたとか、無理やり寄付させられたとか、金銭的なトラブルがほとんどなのですが。

先に書いたような厳しい現実を生きている人たちを、海外旅行できるほどお金を持っている人たちが観光として見せてもらうのだから、当然と言えば当然なのかもしれません。

でも、こちらも子どもたちを連れている以上、無用なトラブルはできるだけ避けたい。
とにかく、財布には必要な分だけのお金と小銭。あとは子どもにとり巻かれたら配れるようにキャンディやボールペン。そして一番大切な「冷静な心構え」をして出発です。

結果として、私たちの場合は特にぼったくられる事はありませんでした。

チャリティーの説明をされ、お金があったら出してくれと言われ、チップをくれと要求をされたけれど、強要はされませんでした。
赤ちゃん連れだったことが幸いしたのかもしれませんが。

ボートには2人の乗組員がついて、1人が運転、1人がガイドとして、英語で簡単な説明をしてくれます。

運転手はニコニコと愛想が良かったのですが、ガイドのほうはなんだか疲れたような様子で淡々と説明をしていました。
毎日何度も繰り返される、仕事としての説明。
そんな感じです。

自分も水上生活者だったというガイドは、一面に広がる緑のホテイアオイ(水草)の湖上を進みながら、水上生活の現状について話します。

「水上生活者のほとんどは漁師をして生計を立てているが生活は厳しく、真面目に仕事をしない親も多い」
「子どもを使って観光者から金目のものを集めては、お酒やギャンブルにあけくれる親も多い。だから子どもに直接物やお金をあげるのはやめて欲しい。子どもが観光客から稼ぐようになると、その子は学校に行けなくなる。そのお金でお米などの必要な物を買って寄付して欲しい」と。

とはいえ、案内される寄付用の物品を売っている水上ボートの店も胡散臭く、その寄付がどこまで本当に子どものためになるものか、はなはだ疑問な現状。

また当日はなぜか、クルーズの間に3軒も結婚式を目撃しました。
水上の結婚式場は椅子一つ一つまできれいなカバーがかかっていて、大音量でカラオケも楽しんでいます。
ツアーガイドが力説する貧しさからは想像できない豪華さ…。


トンレサップ湖に行く価値としては賛否両論ありますが、このような混沌とした現実を目の当たりにできる場所も、東南アジアの中では限られてきています。
子どもと一緒に考える、いい機会にはなるのではないでしょうか。

船着場まではトゥクトゥクで約30分。
ボートは約1時間で、大人20ドル、子ども10ドル、赤ちゃん無料で貸し切りました。
トゥクトゥクは帰りに遠回りて寄り道したりしましたが、約3時間で10ドルでしたよ。
金額はあくまで目安ですが、ご参考までに。

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1歳、7歳、10歳の育児台風スパイラル。 教育資金のための怒涛の勤労生活に奮闘しつつ、ひとたび日本を脱出すれば幼な子を小脇に気ままな放浪人。 1990年代に世界を一周したバックパッカー。

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