2016/06/13
シェムリアップ3日目。
今日はアンコール遺跡観光の締めくくり。
アンコール・トムを最終目的地として、バンテアイ・クディ、タ・ブローム、タ・ケウなどの遺跡群をまわります。
5歳の妹ちゃんは相変わらず、朝から「もう行きたくない!」とふてくされています。
それでも、風をきって走るトゥクトゥクは気持ちがいい!
街外れの宿のまわりは道もガタガタだけど、おじいちゃんと向かい合った席で周りの景色を見ながらおしゃべりしてたら、まがったご機嫌も直ります。
アンコールワットに比べらたら景色に変化が多く、また地雷で手足を失って働けなくなった方の演奏に寄付をしたりして感じるところもあり、子どもたちもなんとか飽きずに歩きます。
特にタ・ブロームは期待以上の雰囲気。
5歳児の断固拒否でベンベリア観光を諦めたのですが、そのベンメリアに求めていた、手付かずの遺跡と自然との静かな時間の流れを感じることができたのでした。
時々木陰で休憩しながらこまめに授乳。
ペットボトルの水も、次々に空になります。
そして最後にやってきた、アンコール・トム。
9歳のお兄ちゃんは意外にも「でっかい顔をさがすぞ!」と期待に胸を膨らませています。
一方5歳の妹ちゃんは、疲れがピークに。
朝からプールで散々楽しんだ上に歩き回って、お昼寝時の午後です。
バイヨンを目の前にして、座り込んでしまいました。
これまでも何度も座り込んで、遺跡拒否をしてきた妹ちゃん。
お兄ちゃんも、もう慣れっこです。
私がしゃがみこんで説得をし始めたのを横目で確認して、そのうち来るだろうとスタスタと入っていってしまいました。
妹ちゃんがやっと歩き出した頃には、お兄ちゃんの姿はどこにも見えず。
とはいえ、中にいることは間違いない。
そのうち会えるだろうとタカをくくって、妹ちゃんと散策です。
途中で案の定、何度か背中を見て声をかけ、おじいちゃんと一緒のようだったから大丈夫だなとつい安心。
でも中は、まったくの迷路状態です。
順路もいまいちはっきりせず、登ってはいけない階段や下りてはいけない梯子などがあって、でも気にせず上ったり下ったりしている観光客もいたりして、なんだか自分でもどこにいるのか、どこが出口なのかもまったく分からなくなっていました。
ここでいよいよ不安に。
しかもトゥクトゥクのお兄ちゃんに言われた「南門で待ってるね」を誰にも伝えていなかった。
だって、一緒に動くつもりだったから。
もしおにいちゃんとおじいちゃんが一緒じゃなかったら、さらにまずいことになる。
といっても足場の悪い遺跡の中。
0歳の赤ちゃんを抱っこして5歳児の手を引いている状態で、焦りは禁物。
それに、まだどこかで会える可能性もある!
諦めずに時々名前を呼びながら、できるだけ順路らしき道を歩き南門に。
そこにはトゥクトゥクの兄ちゃんが。
笑顔でこちらに手を振っています。
妹ちゃんも「やっと休める!」とばかりに、喜んで手を振る。
でもやはり9歳の息子とおじいちゃんはいない。
トゥクトゥクの兄ちゃんも見ていないと言う。
疲れた妹ちゃんをトゥクトゥクに残し、とりあえずもう一度中へ。
しばらく歩いて階段を登り、最上階を一周して、そして、諦めました。
この迷路の中で子どもを捜すなんて、無理。
しかも汗だくの0歳児を抱っこして。
そして思い返しました。
きっと待っている。
約束通り、はぐれた場所で。
いつも迷子になりがちな息子に、私は常に言い聞かせていました。
「迷子になったら動かないで。はぐれた場所で待ちなさい。何があっても必ず迎えに行くから!」
そしてトゥクトゥクのお兄ちゃんにお願いし、皆でバイヨンに入った北門まで戻ってもらいました。
バイヨンは120メートル四方ほどの城壁に囲まれた90メートル四方ほどの寺院なのですが、その周りをぐるりと土ぼこりの道が通っています。
その白く乾いた道を走っていくと・・・。
いた!
おじいちゃんと一緒に!
ほっとしました。
あとで聞いたら、おじいちゃんと一緒にちゃんと全部を見て出てきたらしい。
でも、やはりかなり不安だったみたい。
これで懲りてくれたかな。
それにしてもおじいちゃんと一緒で良かった。
じっと待っててくれて良かった。
アンコール・トム近辺の治安が良くて良かった。
天気が良くて良かった。
なにはともあれ、無事でよかった。