2016/06/13
北京から入って、南に下る大陸の旅。
中国は漢字での筆談ができるので、中国語しか知らない現地の方とのコミュニケーションが楽しい国でもあります。
その道中の会話で出会った「中華思想」。
鉄道の中での、あるおばちゃんとの会話。
「どこからきたの?」
「ああ、日本ね。行ったことないけど中国の端っこよね」
「私も田舎から出てきたのよ」
「同じ田舎者どうし、なんだか嬉しいわね」
新しい世界地図を発見した気分になりました。
中国の特に大きな都市では、その人口の多さからか、仲良くなるまではまるで存在しないかのように無下に扱われます。
でもこれば、仲良くなると一転してすごく親切。
ある町で宿泊できる宿がなくて困っていると、電車で話していた中国人が中国専用の宿に私を泊めるよう交渉してくれました。
しかもほとんど深夜といっていい時間に。
おかげで本来であれば外国人は泊まることが許されない中国人専用の宿に泊まる経験ができました。
中国では、外国人も泊まれる宿と中国人限定の宿とが分けられているので、宿が少ない町で外国人可の宿がうまってしまうと、非常に困った状態になるんです。
その方は翌日も見にきてくれて朝食、そして昼食までご馳走してくださいました。
その時に食べた、空芯菜の味。本当においしかった。
まるで民家の台所のような、暗くて狭くて衛生状態も疑わしい食堂。
でも地元の人は、おいしい所をちゃんと知ってるんですよね。
人々に浸透している中華思想はけっして激しいものではなく、とても穏やかなものに感じました。
この20年で国際経済の舞台でも前面に出てきた中国。
こんな素朴な中華思想も、もう老人の与太話になってしまうのかもしれませんね。